人間は犬に食われるほど自由だ。

この一見物騒な言葉に初めて出会ったのは、7~8年前の都内のヴィレヴァン。
まだ今みたいに都内のあっちゃこっちゃにヴィレヴァンが乱立する前だったから恐らく下北沢店かお台場店、もしくは半年くらいで撤退した今は幻の六本木ヒルズ店だったか。
このPOPを売り場で目の当たりにした瞬間、よくもまぁこんな突拍子もない言葉が思いつくもんだ・・ヤラれてるな・・・。と。
まぁそれでもヤラれてるのはこのPOPを書いた奴であって、この本自体は鈍い金色の表紙(写真は去年25年ぶりに改訂された新装版)に緑の帯が着いてただ「メメント モリ」と題名だけがシンプルなもの。
一体この本でどうトリップしたらこんな言葉が沸いて出てくるんだと思いながら手にとってパラパラめくると・・・・
(く、食われてるよホントに。犬・・に人間の死体が・・・。)
要するにこれが有名な写真家:藤原新也さんがメメント・モリ(死を思え!」をテーマにした写真エッセイ集だったわけで、そのなかにインドの火葬場近くで撮ったであろうこのシーンがあったわけです。しかもその写真と共に
「人間は犬に食われるほど自由だ。」
と添え書きが。
なるほどね、POP書き君がヤラれてた訳ではないんね。ましてや張本人である藤原さんがヤラれているわけではない、こんな意味合いがあったとは・・・・
実は僕がこのPOPを見て少し経った頃、「編集会議」という先日廃刊になった編集・出版業界向けの雑誌が「書店の未来!」という総力特集を組んだ中に厳選POPコレクション77というコーナーがあり、そのPOPも選ばれてました。その時のPOP批評を見て僕、おもわず苦笑いしちゃいましたね。そこには、
「正直、何を言ってるのかよく分からないが、本の雰囲気と勢いが伝わってくる。」
通りすがりのパッと見な感想だったら分かるけど、厳選したなら本くらいメクリナサイョと!これじゃあ僕よりヒドイ。POPの書き手や藤原さんもどう思うだろう?
さて肝心の本の内容はというと、まず冒頭は真っ白いページの真ん中にのっけからこんな言葉が踊る
「ちょっと、そこのあんた顔がないですよ!」
ドキッとしますわな、でも怖いもの見たさにページをめくってもその言葉が意味する写真はない。
しかしそれ以降は時にリアルで時に幻想的な写真と、深くかつちょっぴりユニークな藤原さんの言葉が同時に又は代わる代わる登場し、死をテーマにしたものながら不思議と暗い悲壮感はない。
もひとつ印象的な言葉を
「祭りの日の聖地で印をむすんで死ぬなんて、なんとダンディなやつだ。」
確かに場所はインドで写真には印を結んだ巡業者と思われる者の放置体が。でも昼間にリアルな死人を目前にして「ダンディ」なんて言葉が出てくるとは・・・
この本はテレビ化映画化なんて理由無しで25年経って新装版が出されるほど純粋に売れ続けてる本です。しかもそれまでに23刷り!!!驚異的なんですとにかく。当店でも今だ売れ続けてます。でも残念な事に知らない本屋さんもかなり多い。
ちょいとマニアックな話になりますが、去年ジャパニーズヒッピーのカリスマ高橋歩さんが編集しなおしサンクチュアリ出版から新たに発刊した「旅学」シリーズの前身、ネコ・パブリッシングから発刊されてた「旅学 第4号」(今は絶版、当店に2冊在庫アリ)にもイヌニクワレルホドジユウDAが引用されてました。この雑誌を元ネタとして以前紹介したニュートラル+トラニストや現在の「旅学」などがあると思いますのでそれらのファンの方にも是非この「メメント・モリ」はテッパンとして推奨いたします。
ネイティブアメリカンの本と共に初期バージョン(既に廃刊、当店在庫残り1冊)と新装バージョン(写真)を陳列してますので良かったら購入を前提(この本に関しては強制も厭わないほどの名作だと自負しよります)にお越すぃ下さい。
値段?何も確認せずとも黙ってレジで2000円も出せばお釣りが来ますわ。
ふぅぅ
















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